電子工作
1セルのLi-ion充電池に対応した汎用DC 5V電源です。この電源回路は、ACアダプタまたは USBからの電源入力を Li-ion電池
に充電し、安定化されたDC 5Vとして出力できるものとしました。
ここでは、Li-ion電池のチャージャーとしてマキシム社製の MAX8677A(MAX8677Cでも可)を、 DCDCコンバータとして 同じく
マキシム社製のMAX1708を採用しました。出力は、DC 5V 1.5Aです。
MAX8677Aは ACアダプタ(DC 5V)からと USBバスパワー(DC 5V)の両方の電源入力に対応し、Li-ionチャージャを備えた
SmartPowerSelectorです。
MAX1708は、ステップアップ型の DC/DCコンバータです。
ブロック図
前段のMAX8677がLi-ionの充電/放電を管理します。後段のMAX1708が DC 5Vへの安定化を行います。
MAX8677はACアダプタまたは USBから供給される電力をLi-ion電池の充電しながら、後段の負荷にも電力を
供給します。負荷が多くなった場合は、Li-ionへの充電電流を制限しながら、負荷への電力を確保し、入力が
不足した場合は、Li-ion電池を放電させて補う動作もします。 ACアダプタや USBからの電力がない場合は、
Li-ion電池を放電させて負荷に供給します。
なお、Li-ion電池は、過充電にならないように充電電流や電圧をきちんと制御する必要があります。この複雑な制御は、
MAX8677Aが行ってくれますので、基本的にはバッテリを接続するだけですみます。
MAX8677Aは、1セル Li-ionバッテリの制御用です。複数のLi-ionバッテリセルを並列に接続してはいけません。
セル間のばらつきにより、特定のセルに負荷が集中し、危険な状態になるためです。また Li-ion以外の電池には
対応していませんので、その他種類のバッテリを接続することもしないでください。
Li-ionの標準的な端子間電圧は 3.7Vです。放電終了時には 3.0Vまで、電圧が降下してしまいます。 MAX8677Aには、
昇圧する機能がありませんので、DC 5Vを得るためには、Step Up型の DCDCコンバータで 5Vに昇圧する必要があります。
この昇圧を行うのが MAX1708です。
実際に試作したものを少し改良した回路と基板のデータです。試作した時点では、ひとつのコンデンサの配置忘れから
正しく動作しませんでした。その後、手作業でコンデンサの追加により、うまく動作しております。ここに公開している
回路図およびパータンはこの対策を反映したものになっています。
回路図
ボードパターン例
回路図は、小さくなっているため、画像ファイル(png)では読みにくくなってしまいました。詳細については、
下記の回路図ファイルや ガバーデータファイルを参照してください。
回路図、およびボードレイアウトは プリント板CADソフトの Eagleで読み込むことができます。(フリーウェア版もあります)
Gerberデータは、両面基板用です。それぞれの面のパターン層、レジスト層、シルク層がRS-274X形式で格納されています。
RS-274X形式は、プリント基板製造では、事実上の標準規格となっています。
by ryuchi