電子工作
プリント基板のつくり方 †
現在では、既に表面実装が広く一般的になっています。製品の小型化の要求から、IC類も小型化可能な表面実装対応版しか
製品化されていないこともめずらしくありません。特に高性能、高機能で多極タイプでは、パッケージの大きさの制約から、
小型なものが多いのが実情です。
これらの部品をユニバーサル基板では使うことが事実上不可能であり、専用のプリント基板を製作することは、もはや
不可避であるといえます。
比較的リーズナブルな価格でプリント基板の製造データを作成するCADソフトを入手することができますし、
プリント基板を1枚から製造してくれるメーカーの存在しますので、プリント基板を作ることは、そんなに難しくありません。
EAGLE †
プリント基板のデータ作成ソフトは、いくつかあります。ここでは 非営利目的であれば フリーウェアとして使用する
ことができる EAGLE を紹介します。非営利目的以外であれば、ライセンスを購入することにより、そのまま継続して
使用することもできます。
- 入手およびインストール方法
- EAGLEは 下記のサイトからダウンロードして入手することができます。
Windows用、Linux用、MacOS用がリリースされています。ビート・クラフトでは Windows用の英語版を利用しています。
ダウンロードしてきた 配布ファイルを実行すれば、インストールすることができます。インストールに必要な環境や
CPU, メモリ、ディスクなどのスペックについては 上記 CadSoft社のサイトを参照してください。
ライセンスを購入した場合は、ダウンロードし、インストールしたEAGLEで、ライセンス認証することにより
ライセンスが有効になるようです。
作業手順 †
1. 回路構成を考えて、使用する部品を決め、入手性やコスト等を検討する
- 使用する部品が決まらなければ、プリント板を製作することができません。また、部品が入手困難などで、部品を変更すると、パターンの作り直しになります。最初に、入手性、コストなどを含めて部品を選択します。
2. EAGLEの部品ライブラリに部品があるか確認する
- EAGLEの部品ライブラリにないものは、部品データを作成する
- 最近のパーツは、部品ライブラリに、パータンなどのデータがないことも多くあります。この場合は、まず部品のデータを作成し、ライブラリに登録します。ライブラリに登録することにより、いつでも再利用が可能になり、設計変更をするときにも便利です。
3. 実際の回路図を作成する
- 正確に回路図を作成します。同じ規格の部品でも パッケージの大きさが違えば、プリント基板のパターンが異なり、結果的に部品が実装できない状況になります。また、抵抗やコンデンサの値も正確に入力します。いい加減な値だと後日、間違った部品を実装してしまうなどのミスの原因になります。
- 可能ならば配線(ネット)にも適切な名前をつけましょう。デフォルトでは $Nxx のような名前が付けられます。適切な名前に変更することにより、後日、配線チェックにも役立ちます。
4. ボードのデータを作成する
- 部品をボード上の適切な場所に配置します。微調整は、パターンの設計により行うこともできます。
5. EAGLEの配線チェック、ルールチェック機能を使って、誤りがないかチェックします。
- クリアランス不足、配線のオーバーラップ、パターン禁止領域への配線などのミスの有無などをチェックすることができます。エラーがある場合は、その原因を調べて解決しておきます。
6. ドリルデータと ガバーデータを製作します。
- ガバーデータは RS-274X形式が業界の標準で、この形式で出力することにより、基板メーカーに注文することができます。一部の基板メーカーでは EAGLEのネイティブ形式でも受け付けてくれるようです。注文を予定しているメーカーに問合せてみてください。
by ryuchi