電源の種類 †すべての電子回路は、その動作の元となる、電気エネルギー がないと動作することができません。
この電気エネルギーを供給するのが電源回路と言えるでしょう。一方で、エネルギーの流れからみると、電源回路の多くは、
商用電源や電池などから、電気エネルギーを得て、負荷の要求にあった形に変換して供給するエネルギーの変換回路というのが、
実態です。 電源回路は、大きなものから小さなものまで、様々にあります。ここでは、主に 十数ワット以下の電子回路に使われるものを対象にします。 安定化電源と 非安定化電源 †電子回路では、負荷の変動に関係なく、ある一定の電圧または、一定の電流でかつ変動のない電源を必要とすることがほとんどです。 前者を定電圧電源、後者を定電流電源と呼びます。そして このように一定の値になるように制御されている電源を安定化電源と 呼びます。一定の値になるように制御する仕組みが組み込まれていない電源は、非安定化電源と呼びます。 ACアダプタ †小さな電子機器を買うと、専用のACアダプタが付属している場合があります。(別売りの場合もあります) また、
汎用製品として、ACアダプタ単体でも販売されています。これらを自作する電子機器の電源用に使うと手軽にかつ
比較的安全に使えるので、便利です。 安定化の方法 †負荷の変動に関係なく、常に電源の電圧を一定の電圧に保つためには、一定に保つための制御回路が必要になります。 一般的にこの制御回路は、出力端子の電圧、または電流の値を監視しており、設定値からずれると、それを修正する 方向に電源回路自体を制御し、安定化させようとします。 シリーズ電源(リニア電源) †直列に制御用のパワー素子を入れて、出力を制御します。回路の概念図を下記に示します。 入力から供給された電流は、トランジスタを通って、負荷に流れます。出力端子には、電圧を監視して、制御回路へ戻す フィードバック回路があります。トランジスタは、出力電圧と入力電圧の差を落とす(Dropする)抵抗として機能します。 キルヒホッフの第二法則から閉回路で生じる起電圧と、電圧降下の合計は等しいという法則があります。ここでは、 下記の式が成り立ちます。 入力電圧 = トランジスタでの電圧降下 + 負荷での電圧降下(つまり出力電圧) 従って、入力電圧は、常に出力電圧より高い電圧にしなければなりません。 フィードバック回路は、負荷の状態に応じて 一定の出力電圧となるように、トランジスタを制御し、あたかも自動的に差分の電圧を 落とす可変抵抗として機能するように制御しています。以下、トランジスタを可変抵抗として読み替えてみます。 もしも負荷が増加したとき(流れる電流が増えたとき)、出力電圧が低下してしまいます。可変抵抗の値 x 電流 = ドロップ電圧 ですから、電流が増えた分だけ ドロップ電圧が大きくなります。従って負荷が増えたときには、可変抵抗の値を小さくして、 ドロップ電圧を元の値に戻さなくてはなりません。一方で、負荷が減少したときにも、可変抵抗を大きくして、ドロップ電圧を 元の値に戻すようにして、出力電圧が一定になるように制御しています。 これは負荷の変動ばかりでなく、入力電圧の変動に対しても、同様な制御が行われています。 このドロップ電圧を制御を自動的制御して、出力電圧が一定になるような回路を構成することで、安定化電源を実現することができます。 スイッチング電源 †リニア電源の場合は、中間に抵抗(および相当するもの)を入れて、電圧を落としながら制御していました。
余ったエネルギーは抵抗の部分で熱エネルギーに変換され、損失として空気中に放熱されています。また、
原理的に 出力電圧を高くすることができません。(たとえば 1.5Vの電池から 3.3Vを得るなど) by ryuchi
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