bc10-routerとはbc10を使用し、家庭用無線LANルータと
同等な機能を持ったものを作成するためのプロジェクトです。
まず必要最低限の機能が動作するイメージを作成することを目的としています。
本稿では構成機材、機能項目、ビルドシステムについて記載をしています。
また作成したイメージを使用して、各ネットワークパフォーマンスを測定しその結果を公開しています。
本稿で使用しているbc10-routerの構成機材は以下の通りです。
各USBネットワーク機器のデバイスIDとドライバは以下の通りです。
機材名 | ベンダーID | プロダクトID | ドライバ |
WLI-UC-AG300N | 0411 | 012e | rt2800usb |
機材名 | ベンダーID | プロダクトID | ドライバ |
LUA3-U2-ATX | 0b95 | 7720 | AX88772 USB |
bc10-routerの動作と確認に使用する機能項目一覧および
使用アプリケーションは以下の通りです。
機能項目名 | 使用アプリケーション |
無線LANアクセスポイント機能 | hostapd |
モード切替機能(ルータ/ブリッジ) | スクリプト |
DHCP Daemon 機能(LAN側) | dnsmasq |
DHCP Client 機能 (WAN側) | udhcpc |
ブリッジ 機能 | brctl |
NAT/NAPT 機能 | iptables |
DNS 機能 | dnsmasq,resolv.conf |
パケットフィルタ 機能 | iptables |
セキュリティフィルタ 機能 | kernel機能、iptables |
SSHD 機能 | dropbear |
USB 機器管理機能 | udev,usb-modeswitch |
Ethernet ケーブル挿抜監視機能 | ifplugd |
bc10-routerのイメージを作成するにあたって使用したビルドマシンの
ハードウェア、ソフトウェアスペックの概要は以下の通りです。
bc10-routerのイメージ作成にあたり使用したビルドシステムは以下の通りです。
主にTIがメンテナンスを行っているOpenEmbedded Linux Projectです。
arago-projectを使用したビルド環境の構築およびイメージの作成については
bc10-router/arago-projectを参照してください。
beagleboard-xm用にカスタムされたbuildrootを使用します。
buildrootのビルド環境の構築およびイメージの作成については
bc10-router/buildrootを参照してください。
bc10-routerを使用し各ネットワークパフォーマンス測定を行い、その結果を公開しています。
ネットワークパフォーマンス測定についてはbc10-router/ネットワークパフォーマンス測定を参照してください。
ネットワークパフォーマンスの向上を図るため、arago-project を使用して作成したイメージの linux kernel を更新しました。
更新の手順とパフォーマンス測定を行った結果が bc10-router/kernel update です。
linux kernel の更新と同時に bc10 の OMAP3530 向け第2段ブートローダー u-boot を更新しました。
更新の手順が bc10-router/u-boot update です。
kernel の更新を頻繁に行う開発時に便利な u-boot の tftpboot 実行手順は
bc10-router/tftpboot をご覧ください。
bc10 で使用している OMAP3530 のパワーマネージメント機構を動作検証しました。
動的動作周波数変更機能 cpufreq の検証は bc10-router/cpufreq をご覧ください。
現在の動作状態をメモリーへ退避してスリープ状態にはいる Suspend、
Suspend からメモリーで退避していた内容を戻して動作状態に復帰する Resume の検証は
bc10-router/Suspend Resume をご覧ください。
2013/01/31 システム更新、パワーマネージメントを追加
2012/12/14 初稿公開
2012/12/17 追加導入パッケージ、dashからbashへの変更の追加
2012/12/18 文言修正
2012/12/21 buildrootの追加
2012/12/25 追加導入パッケージの修正
2013/01/07 構成変更(追加導入パッケージ、dashからbashへの変更をbc10-router/arago-project、bc10-router/buildrootに移動)と文言修正
2013/01/08 文言、構成修正