Software/Android/アプリケーション開発テキスト

Chapter 1 : 開発環境構築

 この章ではAndroidアプリケーションの開発環境構築について解説します。

 Androidアプリケーション開発を行う際に必要な環境は以下のとおりです。

  • オペレーティングシステム(以下いずれか)
    • Windows XP(32bit)、Windows Vista(32/64bit)、Windows 7(32/64bit)
    • Mac OS X 10.5.8以降(x86版のみ)
    • Linux(Ubuntu Linux 8.04以降、Lynx Lucid)
      glibc 2.7以降、64bitディストリビューションの場合は32bitアプリケーションの実行環境が必要
  • 開発ツール
    • Java SE Development Kit(JDK)5もしくは6
    • Eclipse 3.5(Galileo)以降
    • Android SDK
    • Android Development Tools(ADT)プラグイン

 本稿ではオペレーティングシステムとしてWindowsを使用し、Eclipseはバージョン3.7(Indigo)を使用します。

1-1. JDKのセットアップ

 Java SEのダウンロードサイトからJDK(Java SE Develoepment Kit)をダウンロードします。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html

 上記サイトではランタイム環境(JRE)も配布していますが、必ずJDKを選択して下さい。各オペレーティングシステム用のパッケージが置いてありますので、対応する物を選択します。インストールパッケージをダウンロードしたら、各プラットフォームのアプリケーションインストール手順に従ってセットアップを行います。


1-2. Eclipseのセットアップ

 EclipseのダウンロードサイトからEclipse IDE for Java Developersをダウンロードします。

http://www.eclipse.org/downloads/

 パッケージをダウンロードしたらセットアップしたい場所にzipファイルを展開するだけでインストールは完了します。その他特別な手順はありません。


1-3. ADTのセットアップ

 続いてAndroid開発プラグイン(Android Development Tools : ADT)をセットアップします。

 Eclipseを起動してメニューから「Help > Install New Software...」を選択し、"Available Software"ダイアログが表示されたら「Add」ボタンをクリックします。次のダイアログでNameに「ADT」(任意の名称)、Locationに「https://dl-ssl.google.com/android/eclipse/」と入力し、「OK」ボタンをクリックします(図1-1)。

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図1-1

 "Work with"に先ほど入力したサイトが選択されていることを確認し、Developer Tools横のチェックを入れて「Next」をクリックします。"Install Details"ダイアログでインストールされるソフトウェアの一覧を確認し、再び「Next」をクリックしてください。

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図1-2

 "Review Licenses"ダイアログに各プラグインのライセンス情報が表示されます(図1-2)。ライセンスを確認したら「I accept the terms of the license agreements」をチェックして「Finish」ボタンをクリックします。プラグインインストール後、Eclipseの再起動を促すメッセージが表示されますので、指示に従いEclipseを再起動して下さい。

1-4. Android SDKのセットアップ

 ADTをセットアップしてEclipseを再起動すると、図1-3のようなダイアログが表示され、Android SDKのセットアップが自動的に開始されます。

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図1-3

 標準の状態では最新のAndroid向けファイルのみがセットアップされます。現在もっとも普及している、バージョン2.1向けのSDKをインストールする場合は「Install Android 2.1, a version which is supported by ~97% phones and tablets」横のチェックボックスをチェックしてから「Finish」ボタンをクリックします。必要に応じてTarget Locationも変更して下さい。

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図1-4

 インストールされる内容を確認したら、Accept Allをチェックして「Install」ボタンをクリックします。  引き続きその他のバージョン向けSDKをインストールする場合、Eclipseのメニューから「Window > Android SDK Manager」を選択します。

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図1-5

 インストールされる内容を確認したら、Accept Allをチェックして「Install」ボタンをクリックします。Android SDK Manager(図1-5)が表示されたら必要なパッケージを選択し、「Install n packages...」ボタンをクリックしてセットアップを続行して下さい。

1-5. Android Virtual Device(AVD)の作成

 Android Virtual Device(AVD)はAndroid端末をエミュレートするもので、これを作成することでAndroid端末の実機がなくてもAndroidアプリケーションのテスト、デバッグを行うことが出来ます。

 Android SDKをセットアップすることで標準的な構成のAVDは自動的に作成されますが、必要に応じて独自のAVDを追加で作成することも可能です。カスタムAVDを作成するには、Eclipseのメニューから「Window > AVD Manager」を選択し、"AVD Manager"ダイアログで「New...」ボタンをクリックします。

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図1-6

"Create new Android Virtual Device (AVD)"ダイアログ(図1-6)で必要な項目を入力し、「Create AVD」ボタンをクリックすればカスタムAVD作成は完了です。

 設定する項目は以下のとおりです。

  • Name
    • この仮想端末に名前を設定します。既に存在するものでなければ基本的に自由に設定可能です。本稿では「Custom2_3_3」としています。
  • Target
    • この仮想端末に搭載されるAndroidバージョンを指定します。前項でインストールしたSDKの各バージョンが選択可能です。「Google APIs」を選択すると、エミュレータ上でGoogle APIが利用可能になります。対応するAndroidバージョンと同じAPI Levelの物を選択して下さい。
  • SD Card
    • この仮想端末で使用するSDカードを設定します。容量指定で新規に設定するか、既存のイメージファイルを指定可能です。本稿では4ギガバイト(ギビバイト)を指定しています。
  • Snapshot
    • Enabledをチェックすると、エミュレータのスナップショットを保存することで起動を高速化します。
  • Skin
    • この仮想端末の解像度や外観を設定します。ビルトインのスキンを指定するか、解像度を直接指定出来ます。本稿ではWVGA854を指定しています(解像度480x854)。ビルトインスキンは独自に作成したり、メーカーで配布している物を追加することも可能です。
  • Hardware
    • ハードウェアキーボードや加速度センサー、GPSなど、追加のハードウェアを設定します。必要に応じて「New...」ボタンをクリックして仮想ハードウェアを追加します。

1-6. サンプルプロジェクトの作成と実行

 開発環境のセットアップが完了したので、サンプルプロジェクトを作成して動作を確認します。Eclipseのメニューから「File > New > Project...」を選択し、"New Project"ウィザードダイアログが表示されたら、「Android  > Android Project」を選択して「Next」ボタンをクリックします。

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図1-7


"Create Android Project"ダイアログ(図1-7)で以下の様に入力、設定していきます。

  • Project Nameに「HelloAndroid」と入力します。
  • 「Create new project in workspace」が選択され、「Use default location」にチェックが入っていることを確認します。

 以上を確認したら「Next」ボタンをクリックし、"Select Build Target"ダイアログでこのアプリケーションを動作させるAndroidバージョンを選択、再度「Next」ボタンをクリックします。

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図1-8


 "Application Info"ダイアログ(図1-8)で以下の様に入力、設定していきます。

  • Application Nameに「HelloAndroid」と設定されていることを確認します。プロジェクト名とは別にしたい場合、ここで入力することが出来ます。
  • Package Nameにこのアプリケーションで使用するパッケージ名を入力します。本稿では「com.beatcraft.helloandroid」としています。
  • Create Activity横にチェックが入っていることを確認し、「HelloAndroidActivity」と入力されていることを確認します。

 以上を確認したら、「Finish」ボタンをクリックしてサンプルプロジェクトは完成です。Package ExplorerにHelloAndroidプロジェクトが追加されていることを確認(図1-9)し、Eclipseのメニューから「Run > Run As > Android Application」を選択します。

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図1-9


 "Android Device Chooser"ダイアログが表示されたら、「Launch a new Android Virtual Device」にチェックを入れ、起動するAVDを選択後に「OK」ボタンをクリックすると対応するAVDが起動し、HelloAndroidが実行されます(図1-10)。

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図1-10

内藤

添付ファイル: file01_10.png 953件 [詳細] file01_09.png 963件 [詳細] file01_08.png 929件 [詳細] file01_07.png 951件 [詳細] file01_06.png 944件 [詳細] file01_05.png 909件 [詳細] file01_04.png 942件 [詳細] file01_03.png 969件 [詳細] file01_02.png 908件 [詳細] file01_01.png 934件 [詳細]

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Last-modified: 2011-12-12 (月) 20:43:59 (4512d)