ANT
ANT モジュール †
ANT とは、2.4GHz帯を用いた省電力の無線通信規格のひとつである。デバイス間が数メートル以内の近距離間の無線通信に用いられる。
体重計やジョギングやサイクルコンピュータなどに用いられるセンサとの通信にも使われている。
ANT の詳しい情報は http://www.thisisant.com/ を参照してください。
ANTモジュール 試作ボードの製作 †
ANTモジュールは、シリアル通信版とUSBインターフェイス版の2種類を試作した。それぞれの回路図と外観は、以下の通り。
- シリアル通信版
RS232-Cインターフェイスを使って通信するタイプです。ARM-Cotex M0/3や PICなどのマイコンなどとも接続可能なピンヘッダがついています。電源は 1.9〜3.6Vで動作します。
- USBインターフェイス版
USBコネクタ ミニBタイプが実装されています。USBケーブルでWindows PCなどと接続することにより、通信をすることが可能です。電源は USB端子より供給されます。
試作ボードの動作確認 †
ANT関連の開発を行うための評価キットをインターネット経由で購入できる。今回はインターネット経由で
入手した評価キットを使って、試作品の動作確認を行った。
- シリアル通信版とWindows PCとの接続の様子 (PC側の基板は評価キットのUSB-Serial変換基板)
- USBインターフェイス版とWindows PCとの接続の様子
試作したANTモジュールを Windows PCに接続すると、デバイスドライバがインストールされます。
Windows 7 のデバイスマネージャからは、下記のように認識さした結果が表示される。
Windows XPおよびWindows 7 で動作するANTモジュールの評価・デバッグ用ツールとして ANTwareIIというソフトウェアがあります。
このソフトウェアを用いて ANTモジュールを認識させます。必要な設定を行い、通信の実行を行う。2つのモジュール間で
正常にデータ通信が行われていることを確認した。
1台のPCで 複数のANTモジュールを認識させ、制御することもできます。
このソフトウェアは ANT の Developer's Zone にある
PC and Mac Software Tools より入手できます。(登録が必要となります。Link先は 2012年11月29日現在です。)
左側は、認識しているモジュールとそのパラメータが表示されており、制御するモジュールを選択できるようになっています。
中央は、選択したモジュールの設定内容を確認したり変更することができるようになっています。
右側は、モジュールが通信している様子(送信データや受信データなど)が表示されるようになっています。
サンプル画面では、チャンネル0 を使ってデータを送信している様子が表示されています。受信モードにすれば、受信したデータを表示することができます。
互換性 †
- GARMIN製 Forerunner 610
GARMIN社で配布されている ANT AGENTを Windows PCにインストールし、Forerunner 610とペアリングを実行することができました。
また、Forerunner 610で採取したデータ転送もできることを確認しました。
技術基準適合証明 †
別途、ANTモジュールを改良して再度製作しました。改良した ANTモジュールは 無線設備(特別特定無線設備)として電波法に
定められている技術基準に適合していることの証明を受けました。いわゆる技適に合格し、それを証明するシールを貼付されましたので、
一般的な場所でも自由に使用できるようになりました。